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ウイルス性イボ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい) 

イボとは一体何なのか、どうしてできるのか?

みなさんは“イボ”という言葉を聞いて、どのようなものを考えるでしょうか。皮膚からでっぱったもの、突き出したできものなどを思い浮かべた人も多いかと思います。
基本的にはそうなのですが、皮膚病変には似たようなできものは数多く存在するため、イボとはどのようなものなのかを正しく認識する必要があります。症状については多彩なため「イボの症状について」で述べることとして、ここではまずイボとは何なのか、ということについて解説します。

医学的にイボのことを疣贅(ゆうぜい)といいますが、ヒト乳頭腫ウイルス(以下HPV)というウイルスの表皮または粘膜の基底細胞への感染が原因です。基底細胞は表皮の一番底部で真皮の直上にならんでおり、ここから表皮の角化細胞が分化していく出発点にあたる細胞です。ウイルスは微小な外傷などから侵入し、この細胞に感染することで、角化細胞の分化とともに、自らも複製されて増殖していきます。ウイルス粒子は角層の脱落とともに外部に放出され、また他の部位に侵入し感染します。

ここで、HPVには多数の型(約100種類)があり、すべて番号がついています。この型によって、臨床症状が異なるために、疣贅の中でも様々な病名が存在します(下表を参照)。その中には、一般的なイボから、悪性腫瘍の原因となるもの、性感染症を引き起こすものなども存在します。今回は、最も一般的なイボである、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)について述べていきたいと思います。


HPV の型と臨床症状の関係(あたらしい皮膚科学23章P432:中山書店)
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イボの症状について

尋常性疣贅はHPV-2をはじめ、4、7、26などの感染により発症します。一般的には、外傷を受けやすい手指、手背、足底、足背、顔面などに多くみられ、初期は小丘疹として出現し、増大するとともに表面がブツブツとして盛り上がり、数mmから数cmに至ることもあります。単発のこともありますが、多発することも多く、集まってつながったりすることもあります。通常かゆみや痛みはありません。
部位によって臨床には特徴があり、足底ではあまり隆起しないかさかさした病変となり、一見“たこ”や“うおのめ”と似ていますが、点状の出血点が黒点として表面にみられることがよくあります。表面を削るとよく出血することも特徴です。また、硬くなると歩くときに痛みを生じることもあります。特に足底ではいくつかが融合することが多く、敷石状になったものをモザイク疣贅といいます。また、顔面や頭部では花びらが開いたような形態をとったり、糸のように細く突き出した形態(糸状疣贅)をとることもあります。

尋常性疣贅と類似した病変として、まず脂漏性角化症があります。顔面によくみられる肌色から黒褐色まで様々な色調の隆起性病変で、ウイルス感染ではなく加齢に伴って出現する良性腫瘍ですが、尋常性疣贅と紛らわしいものがあります。基本的に放置してもかまいませんが、疣贅と同様の処置によってとることも可能です。
また、アクロコルドンといわれる首のまわりやわきの下によくみられるやわらかい皮膚の突起物もイボと間違われている人が多い病変です。こちらもウイルス感染ではなく加齢に伴って出現する軟性線維腫という良性腫瘍の小さいもので、放置してもかまいませんが、はさみで直接切除したり、疣贅と同様の処置によってとることも可能です。

イボの治療法について

尋常性疣贅の治療法として選択肢はいくつかあるのですが、どれも一長一短があり、一筋縄ではいかないのが現状です。

皮膚科を受診した際によく行われる治療は、液体窒素による凍結療法です。これは液体窒素という超低温(-196℃)の液体にひたした綿球をあてて、イボを直接凍結させる治療です。これは急激な凍結により細胞内に氷晶を形成し、HPVが感染している基底細胞ごと破壊するという方法です。イボの大きさにもよりますが、1回では全部は破壊できず、また増殖してくるため何回か処置が必要なことがほとんどです。特に足底や爪のまわりにできたものは難治性です。また、この処置は強い痛みを伴うことも難点です。ただ、他の治療法と比べて有効性は高いので、まずは試みるべきだと思います。

外用療法としては角質軟化作用のあるサリチル酸が含まれたワセリンや貼付剤、角化細胞の増殖抑制作用のある活性型ビタミンD3が含まれた軟膏、タンパクを凝固変性させウイルスを不活性化させるグルタルアルデヒドやウイルスDNAを破壊するモノクロロ、トリクロロ酢酸などがあります。(但し、保険適応があるのはサリチル酸のみです。) サリチル酸や活性型ビタミンD3軟膏単独では効果が弱いため、凍結療法と併用することが多いです。グルタルアルデヒドやモノクロロ、トリクロロ酢酸は副作用も強いので凍結療法に抵抗性の足底のモザイク疣贅や、イボの数が多すぎて凍結療法が困難な人などに適用するべきだと思います。
(※当院では難治性のイボに対してのみ、トリクロロ酢酸の外用を併用しております。)

内服療法としてはハト麦から生成される漢方薬のヨクイニンが一般的ですが、有効性についてははっきりしないところもあります。その他、外科的手術療法、局所免疫療法、抗腫瘍薬外用、局注、暗示療法などもありますが、あまり一般的ではありません。

このように、たかがイボではありますが、その治療は簡単ではありません。放置して経過をみるという選択もあるのですが、成人では自然消退の可能性は低く、大きくなったり、増えたりすることもあるので、やはり治療することをお勧めします。

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