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湿疹とはどんな病気?

“湿疹(しっしん)”は一般的にもよく使われる言葉ですが、ちゃんとした皮膚科疾患の医学用語でもあります。皮膚のトラブルの中では最もよくみられ、皮膚科を受診される方の中でも最もたくさん見られる皮膚疾患です。皮膚科を受診される患者様の約3割は湿疹であるという統計もあります。
このように、湿疹は最もありふれた皮膚のトラブルではありますが、湿疹なのか、それ以外の皮膚疾患なのかの判断は時に難しい場合もあり、これこそが皮膚科専門医として重要であり、かつ経験がものをいう診断能力であると思っております。

湿疹の症状は、一般的には皮膚表面にかゆみのある赤い斑(紅斑)盛り上がったブツブツした斑(丘疹)かさかさして細かい皮がめくれたような場所(鱗屑)などが出現して、かゆくて掻いているうちに病変の場所が広がってきます。また、もともとあった皮疹も水ぶくれ(水疱)になったり、膿だまり(膿疱)になったり、掻き破ってじゅくじゅくした面(びらん)になって、黄色調の浸出液がでてきたりと色々な変化をします。
うまく経過すると、かさぶた(痂皮)のようになって、治ってきますが、治りかけにまた引っ掻いたりすると、また盛り上がってきたり、じゅくじゅくしたりしてなかなか治りません。これを繰り返してるうちに病変部の皮膚が分厚くなったり(苔癬化)、皮膚に褐色調の色がついて(色素沈着)なかなかとれなくなったりします。

このように、湿疹の症状の特徴はその時間的変化と皮疹の多様性にあります。ここで、よく皮膚科の教科書にのっている湿疹の症状の多様性と経時変化を図で表した“湿疹三角”を紹介します。


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最初は軽微な皮疹でも、掻いているうちに急速に悪化する場合も多く、少し治りが悪いと感じた場合は早めに受診されることをおすすめします。

湿疹の発症の病因とは?

湿疹の原因として、外的因子内的因子が絡み合って発症すると考えられます。
外的因子とは皮膚表面に接触する何らかの外的異物や外的刺激のことであり、ハウスダスト、花粉、ダニ、細菌、真菌、薬剤、化学物質などが含まれます。厳密には日常生活で接触するすべてのものが外的因子となりうる可能性があります。これらの外的因子が皮膚の毛穴などから皮膚内部に侵入すると、異物を排除しようとする炎症反応が起こりますが、これが湿疹反応として症状が現れることになります。また、圧迫や摩擦や掻破などの機械的刺激も湿疹反応の原因となり得ます。ただ、この反応の程度や様式はそれぞれ個人の皮膚の健康状態、発汗の程度、皮脂の分泌、皮膚のバリア機能の強さ、アトピー素因といった内的因子の影響を受けることになります。そしてこれらが湿疹の多様性を生み出すことになります。


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湿疹で受診されたときに、「原因はなんですか?」とよく聞かれます。明らかに特定の原因がはっきりしている場合はそれが原因とわかるのですが、はっきりとしないことも多くあり、この場合は上述のような様々な因子が絡み合って発症しているとしか言わざるを得ないこともよくあります。つまり、原因の可能性はたくさんあり、特定できないとも言えます。
また、原因としてある要因がはっきりしている場合や、症状にある程度共通の特徴がはっきりしている場合もあり、これらには特定の病名がついているものもあります。これらについては次項で説明いたします。

特徴的な臨床像をとる湿疹について

前項でも述べましたが、原因がはっきりしないことも多くみられ、この場合はただの"湿疹"という病名になりますが、便宜的に症状の経過期間や病理組織所見より、“急性湿疹”“慢性湿疹”と呼びます。

以下、原因が特定できたり、特徴のある臨床像をとる"湿疹"についていくつかご紹介いたします。

接触皮膚炎(=かぶれ)

外的異物の皮膚に対する刺激性やアレルギーにより、基本的には異物の接触した部位に限局して湿疹病変が形成されます。その原因により、「刺激性接触皮膚炎」と、「アレルギー性接触皮膚炎」に分類されます。

(1)刺激性接触皮膚炎
接触した外的異物そのものの刺激性、毒性により表皮の角質細胞が障害され、炎症反応が引き起こされるものであり、初めて接触するものでも起こります。また、誰にでも起こりうる可能性があります。皮膚バリア機能が低下している場合は、毒性の低い物質でも起こることがあります。
(2)アレルギー性接触皮膚炎
毛穴などから皮膚に侵入した異物が皮膚の免疫担当細胞である“ランゲルハンス細胞”に認識され、この情報がリンパ節でTリンパ球に伝えられます。(これを“感作される”と言います。)その後、同じ物質が再び皮膚内部に侵入すると、感作されたTリンパ球は速やかに増殖して、排除するために炎症反応が起こります。(このような様式の反応をⅣ型アレルギー反応といい、“じんま疹”でみられるⅠ型アレルギー反応とは異なります)

この反応の特徴として、初回の接触では起こらないこと、また、原因物質に感作された特定の人にしか起こらないこと、一度感作されるとわずかな量の抗原でも発症することなどが挙げられます。

接触皮膚炎の原因物質としては、植物、食べ物、金属、化粧品、日常用品などあらゆる可能性があります。

接触皮膚炎の診断、原因物質の特定には「パッチテスト」が有用です。可能性のあるものを持参していただいて行うこともありますが、「金属パッチテスト」を希望される場合は当院では16種類の金属を調べることが可能です。
(※現在、「金属パッチテスト」は行っておりません。)

※パッチテストについて
パッチテストはⅣ型アレルギーにともなう接触皮膚炎の原因検査法です。血液検査によるⅠ型アレルギー検査とは全く異なる検査です。手順としては、パッチテスターという小円形のガーゼが並んだフィルムに調べたい物質を塗布して前腕または背部に48時間貼付します。
48時間後に除去して、1度目の判定を行い、さらに24時間後に2度目の判定を行います。
当院では診療曜日の関係上、水曜日(判定が金、土曜日)、または土曜日(判定が月、火曜日)に検査を行っております。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎も湿疹の一種です。「アトピー性皮膚炎」の項をご覧ください。

脂漏性皮膚炎

頻度の高い湿疹の一種です。「脂漏性皮膚炎」の項をご覧ください。

貨幣状湿疹

主に手足や体に円形や楕円形のかさかさした紅斑が散在します。強いかゆみを伴います。

自家感作性皮膚炎

ある部位に限局していた湿疹病変が悪化するとともに、全身に細かい紅斑、水っぽい丘疹(漿液性丘疹)や膿だまり(膿疱)が広がって、強いかゆみを伴います。最初の病変を“原発巣”といい、下腿によくみられます。また、その後拡がってきた細かい皮疹を“散布疹”または“id疹”といいます。重症の場合は、発熱などの全身症状がでることもあります。

この現象は「id反応」と言われ、原発巣の掻きこわしなどによって生じた組織崩壊による変性蛋白質や細菌などが抗原となりアレルギー反応が生じ、血行性や掻破により他の部位に播種され、全身性に症状が出現すると考えられています。

うっ滞性皮膚炎

下肢静脈瘤などの慢性的な静脈不全がある場合に、下腿を中心に紅斑や湿疹局面がみられ、毛細血管からの出血によるヘモジデリンの沈着により、皮膚に褐色調の色素沈着がみられます。これが慢性化して長く続くと、皮膚が浮腫状に硬くなったり(硬化性脂肪織炎)や、熱感をもって痛みを伴う(うっ滞性脂肪織炎)を起こすこともあります。また、皮膚のバリア機能も低下し、ちょっとした外傷で深い傷になったり、塗り薬でかぶれたりしやすくなります。

皮脂欠乏性湿疹

加齢や入浴時の洗いすぎなどが原因で皮膚が乾燥しやすくなり、かさかさしてくると、皮膚のバリア機能が低下して、さまざまな外的刺激により湿疹が生じやすくなります。主に高齢者の下腿にみられます。

皮脂欠乏性湿疹・乾皮症の項をご覧ください。

汗疱

手のひらや足底に小さい水ぶくれ(小水疱)が散在して、強いかゆみを伴います。多汗症の人にみられる傾向がありますが、汗腺との関係ははっきりしていません。金属アレルギーなどが原因のこともありますが、はっきりとした原因がわからない場合も多くみられます。

湿疹の治療について

このように湿疹のバリエーションは非常に多く、臨床症状も多彩ですが、起こっている共通の病因は皮膚表面の表皮内における炎症反応です。この状態にもっとも効果があるのは、ステロイドの外用剤です。
ただ、ステロイド外用剤にはたくさんの種類があり、炎症を抑える強さによって段階的に分類されています。その症状に合わせた強さの薬剤を使う必要があり、そうでないと効果がうまく出ないこともあります。また、外用剤の問題点は塗り方や塗る回数によって効果が変わってくることです。
また、最も気にされるところだと思いますが、ステロイド外用剤には長期間使用による皮膚への局所的な副作用もあり、漫然と塗り続けることはよくありません。
ステロイド外用剤についての詳しい説明は“ステロイド外用剤について”をご覧ください。

ただ、ステロイド外用なしで湿疹を治療することは非常に困難であり、保湿剤や、非ステロイド抗炎症外用剤のみを使っていてもなかなかよくなりません。ますます悪化して湿疹が拡大してくることもよくあります。
ここはいかに効率よく工夫してステロイドを外用するかにかかってくると思います。そのためにも、塗り方の工夫や回数について指導することがとても重要になってきます。

飲み薬を希望される方も多いのですが、湿疹の病因にはⅠ型アレルギーを介していないので、いわゆる“抗アレルギー剤”の内服は治療のメインにはなりません。ただ、ヒスタミンなどの痒みを誘発する物質を抑える作用はありますので、痒み止めとしては効果が期待できます。なお、最重症の場合はステロイドの内服を行なうこともありますが、通常は必要ありません。

また、湿疹の原因をできるだけ排除することも重要です。
接触皮膚炎のように原因がはっきりしている場合は明確ですが、原因がはっきりしない場合でも前述したような外的因子や内的因子による皮膚に対する刺激をできるだけ減らす必要があります。具体的には、ダニやほこりを減らすよう身の回りの環境を整えたり、衣類の材質に気を配ったり、汗をなるべくかかないようにしたり、シャワーで早めに流したり、皮膚が乾燥しないように部屋を加湿したり、普段から保湿剤を外用したり、紫外線をできるだけ避けたりといった日常生活における工夫とスキンケアが重要になります。また、病変部を掻いてしまうことで、その刺激により湿疹は悪化しますので、なるべく掻かないようにする工夫と努力も必要です。

湿疹は一度治っても、また条件が悪いと発症してくる可能性はあります。症状が出ているときはしっかり治して、普段から予防をすることで、湿疹はコントロールできるものと考えます。

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