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一般的に「アレルギー」という言葉は日常でもよく耳にしますし、馴染みのある方も多いのではないかと思います。毎日の診療の場でも、「アレルギーが原因ですか?」と聞かれることもしばしばあります。しかし、実際は「アレルギー」といっても様々な発症様式があり、簡単に「○○によるアレルギーが原因ですね。」と答えるわけにはいきません。また、実際にアレルギーが原因であることを証明することは簡単ではないこともよくあります。
ここでは、皮膚科疾患に関連する「アレルギー」について説明したいと思います。

アレルギーとは何なのか?

まず、"アレルギー"という言葉の語源はギリシャ語にありますが、1906年にオーストリアの小児科医が命名したことに始まります。その後、時代とともにその意味も色々変化をしますが、現在は「免疫反応によって引き起こされた生体の障害」になっています。この免疫反応を引き起こす物質のことを"抗原"と言います。特に、環境由来の抗原のことを"アレルゲン"と言います。もともと、免疫反応は侵入した抗原から生体を守るために起こりますが、これがかえって生体に障害を与えることを"アレルギー"と呼んでいます。

アレルギーの分類について

実はアレルギーといっても、1つの様式で起こるほど単純ではありません。アレルギーをその発生機序から分類しようという試みがなされていますが、昔から最も有名なのが「Coombs&Gell博士による分類」です。これは、アレルギー反応をI型~IV型の4つの様式に分類したものです。最近はこの分類にあてはめにくい疾患や、重複する疾患もあり、すべてを解決することはできなくなっていますが、基本的概念ではあります。
この中でも比較的皮膚科と関連が深いのはI型とIV型です。

I型アレルギー反応

抗原を認識して、5~15分で反応が起きるため、「即時型アレルギー」とも言います。
抗原に対するIgEという抗体が、結合組織や粘膜に存在する肥満細胞と結合することで、
肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンという化学伝達物質が放出されます(脱顆粒)。 これらの物質が血管の透過性を亢進させて浮腫を起こしたり、好酸球を呼び寄せて炎症を引き起こします。その結果、鼻汁分泌や皮膚のかゆみ、気管支喘息が起こります。また、血管の拡張を引き起こすため血圧が低下し、重症になるとアナフィラキシーショックとなります。症状は一過性であり、通常は数時間以内におさまります

なお、即時型反応がおさまった後に、数時間経過したころから再び症状が現れることがあり、これを「I型アレルギーにおける遅発型反応」と言います。この遅発型反応には好酸球Th2リンパ球が深くかかわっていることがわかっています。

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Ⅱ型アレルギー反応

生体内のある細胞(標的細胞)の表面に存在する抗原に対して抗体が産生され、これらが結合することで補体系や細胞障害性Tリンパ球がその細胞に作用して、標的細胞がつぶされてしまいます。

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Ⅲ型アレルギー反応

何らかの原因で血中で抗原抗体反応が起こり、免疫複合体が作られ、これが血管や組織に沈着します。その場で補体反応が活性化して好中球が呼び寄せられ、組織が障害されます。

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Ⅳ型アレルギー反応

Ⅳ型は第1段階:感作相と、第2段階:惹起相 から成り立ちます。
侵入した抗原が抗原提示細胞(皮膚ではランゲルハンス細胞)によって取り込まれ、これを認識したTリンパ球が活性化して、Th1リンパ球に分化します。この際、メモリーT細胞と言われる抗原提示を記憶したTリンパ球も作られて、2回目以降の侵入に迅速に対応できるように準備します。ここまでの現象が感作相であり、“感作される”と言います。

次に、抗原が2回目以降の侵入したときに、抗原提示細胞を介してメモリーT細胞が速やかに活性化して、様々な炎症性サイトカインを放出して、侵入後48時間をピークに炎症が引き起こされます。この現象が惹起相で、実際に症状が現れることになります。反応までに時間がかかるため、「遅延型アレルギー反応」と言います。

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アレルギーの検査法について

ここでは上記分類において、皮膚科的にも日常的に関わりの深いⅠ型(即時型アレルギー)Ⅳ型(遅延型アレルギー)について説明いたします。

Ⅰ型アレルギーの検査法

いくつかの検査法がありますが、その結果の信頼度やリスクがそれぞれ異なるため注意が必要です。また、基本的には原因である可能性がある物質について調べる検査であるため、その 物質そのものや、対応する試薬を用意する必要があります。そのような準備がいらない検査法としては、血液検査による方法があります。ただ、項目が検査会社により定められているため、その範囲内でしか調べることはできません。
以下、検査によるリスクの少ないものから順番に説明します。

・血液検査によるIgE-RAST法

いわゆる「血液検査によるアレルギー検査」と言われるものです。Ⅰ型アレルギー反応の際に関わる各抗原に対するIgE抗体の血清中濃度を測定する検査で、6段階で結果が表示されます。現在は200種類以上の物質について検査が可能ですが、自分で測定したい項目をピックアップする必要があります。(保険適用上は13項目を上限としています。)よく調べる項目についてはセットが組まれていたり、最近は一度に36項目測定できるMAST36などもあります。 (MAST36は当院でも測定可能です。)

結果についての解釈は少し注意が必要で、IgEの総合値が高くなると、各抗原に対するIgE値も高くなるため、陽性になりやすくなります。また、陽性であっても実際の臨床症状としては問題がない(逆のパターンの場合もあります) こともあるため、ある程度の参考にはなりますが、信頼度には欠ける部分もあります。ただ、リスクもなく簡単に調べることができるというメリットはあります。

以下の検査は、原因である可能性がある物質そのものや抗原試薬を用いての検査となります。段階的にリスクが上がっていきます。プリックテスト以下の検査では、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため、慎重に検査を行う必要があります。
(以下の検査は当院では行っておりません)

・オープンテスト

抗原の抽出液を腕の前腕屈側に塗布して、約20~30分後に膨疹(蕁麻疹様の膨隆疹)が出現 するかをみる検査です。

・プリックテスト

腕の前腕屈側に針(プリック針)で軽く刺して、その上に抗原抽出液を垂らして、約20分後に膨疹が出現するかをみる検査です。野菜や果物などに直接針を刺して、その針を腕に刺す場合はprick to prickテストと言います。

・スクラッチテスト

腕の前腕屈側に針で軽く引っ掻き傷(スクラッチ)を作り、その上に抗原抽出液を垂らして、約20分後に膨疹が出現するかをみる検査です。

・即時型皮内テスト

抗原の抽出液0.02mlを腕の前腕屈側の皮内に注射します。約20分後に膨疹(蕁麻疹様の膨隆疹)が出現するかをみる検査です。

・内服負荷テスト(再投与試験)

蕁麻疹型の薬疹や固定薬疹と言われる特殊な薬疹の際に、原因薬剤を特定するために行います。薬物の代謝物によってアレルギー反応が起きている場合には、この検査でしか検出することはできないため、最も信頼性の高い検査です。ただし、重症薬疹の場合にはリスクも高い検査です。常用量の1/100~1/10の量を内服して、皮疹の出現の有無を見ます。

Ⅰ型アレルギーの検査法

最も一般的なのは、接触皮膚炎の原因検索の際に行う「パッチテスト」が代表です。

・パッチテスト

調べたい抗原材料を背部や上腕内側の皮膚にパッチテスト用のユニットを用いて、閉鎖貼付 (クローズド)します。48時間後にユニットを除去して、30分以上空けてから48時間後判定を行います。その後、72時間後にも判定を行いますが、1週間後にも判定を行うこともあります。なお、抗原材料によっては、原液のまま塗布して行う場合もあります。(オープンテスト)

注意点として、パッチテストを行うことで逆に感作を起こしてしまう可能性があることや、抗原貼付部位に紅斑、水疱などの湿疹が強く出現してしまう可能性があります。

判定基準ですが、現在日本で用いられているものには本邦基準ICDRG(国際接触皮膚炎研究班)基準の2種類存在します。アレルギーの判定にはICDRG基準を用いることが推奨されています。

当院では診療曜日の関係上、水曜日(判定が金、土曜日)、または土曜日(判定が月、火曜日)に検査を行っております。

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