- 「IPL治療」とは?(レーザー機器との相違)
- 「Nordlys(ノーリス)」の特徴
- 「Nordlys(ノーリス)」の効果
①表在性色素性疾患 ②表在性毛細血管拡張 ③ニキビ(尋常性ざ瘡)
④肌質改善(リジュビネーション) - 施術の流れ
- よくある質問と注意事項について
- 費用について
IPL治療とは、単一波長のレーザー光とは異なり、広帯域の波長の光を用いた治療のことです。20年以上の歴史がありますが、近年は技術の向上により高い効果と安全性を実現しており、次世代型IPL、I2PL治療と呼ばれています。
なお、ノーリスは現段階(2023年10月)で「表在性色素性疾患」と「表在性毛細血管拡張症状」に対してIPL機器として国内初の薬事承認を取得しています。
「IPL治療」とは?
「IPL治療」とは「Intense Pulsed Light」の略で、広帯域の波長を発疹することができるキセノン(Xe)フラッシュランプを用いた光治療のことです。
光エネルギーが対象物に吸収され熱エネルギーに変換されて対象物を破壊する原理はレーザー光と同じです。なお、「フォトフェイシャル」という用語が広まっていますが、ルミナス社が商標登録しているため、ほぼ同義ですが一般的には「IPL」を使用します。
当院でも使用している、脱毛レーザー、Qスイッチレーザー、ピコレーザーなどとの大きな違いは、治療に用いる光線の波長や位相がこれらのレーザー機器では単一であることに対して、IPL機器では波長が広域であり、波の位相もばらばらであるという特徴があります。
この光の特性によって、治療の対象となる病変や効果もかなり変わってきます。
レーザー機器では光の波長が単一であり、しみの原因であるメラニンに吸収がいい波長や、血管病変の対象であるヘモグロビンに吸収がいい波長が異なるため、その波長ごとに病変を治療する専用の機器が存在しますが、IPLでは波長が広域であるためメラニンにもヘモグロビンにも吸収される波長をどちらも含んでいるため、両方に効果を出すことが可能となります。
ただし、広域である分、光線のピークパワーは落ちるためレーザー機器に比べると効果は穏やかになってしまいます。ただ、照射後のダウンタイムや、レーザー機器で時々みられるPIH(炎症後色素沈着)のリスクは減少します。
ただし、近年のIPL機器の効果は格段に上がっており、導入した「Nordlys」のしみや血管病変に対する効果は高いものとなっています。
「Nordlys(ノーリス)」の特徴
当院で使用するノーリスは2種類の表在性病変用のIPLアプリケーターを搭載しており、照射する光線の波長が変わってきます。
また、ノーリスのIPLアプリケーターの特徴として、SWT(特定波長カット技術)が搭載されています。これは、通常のカットフィルターに加え、アプリケーター内に還流している水による「ウォーターフィルター」があり、治療に不必要な400nm以下の波長に加え、熱傷のリスクのある950nm以上の波長もカットしています。これらの技術によって治療の際に冷却をする必要がなく、熱傷の原因となる潜在的可能性を減らし、少ないエネルギーであっても十分な治療効果を実現しています。
「Nordlys(ノーリス)」の効果
ノーリスは上述したように幅広い波長の光を照射できるため、治療の幅も広がります。
ここでは大きく以下の4つに分けて説明します。
- ①表在性色素性疾患
- ②表在性毛細血管拡張
- ③尋常性ざ瘡(ニキビ)
- ④肌質改善(リジュビネーション)
①表在性色素性疾患(しみ、そばかす、くすみなど)
しみやそばかすの原因であるメラニンに吸収される波長の光を幅広く持っているため、当然反応します。IPL治療は個別のしみよりも、全体的に散らばっているようなしみ、そばかすに威力を発揮します。照射後、濃いしみの部分は細かいかさぶたが付着しますが、約1週間で脱落します。
出力が大きいほど効果は高くなりますが、かさぶたも大きくなり、PIH(炎症性色素沈着)のリスクは高くなるので、通常の出力で回数を分けて照射する方法を推奨しています。
なお、肝斑は増悪させるリスクがあるため照射できません。
また、お顔だけでなく手背や前腕、首などの他の部位の色素斑にも同様の効果があります。
②表在性毛細血管拡張
IPLはメラニンだけでなく、酸化ヘモグロビンに吸収される波長の光も照射できるため、表在性の血管病変(老人性血管腫、クモ状血管腫、酒さ、加齢による毛細血管拡張症など)にも効果があります。これは、Qスイッチレーザーやピコレーザーではできなかったことであり、大きなメリットの1つとなります。
特にPR530は酸化ヘモグロビンに吸収される波長を多く含んでいるため、それなりに太い血管拡張(血管径0.1~0.5mm)にも対応できます。
③尋常性ざ瘡(ニキビ)
IPLはしみ、そばかすや血管拡張だけでなく、ニキビにも効果があります。いくつかの機序が推測されていますが、光熱作用によるアクネ桿菌の殺菌、脂腺機能の減弱、炎症性サイトカインを介した抗炎症作用、アクネ桿菌が産生する光感受性ポルフィリンを介した殺菌作用などが考えられています。
④肌質改善(リジュビネーション)
IPLの光は真皮内まで届くので、その光熱作用による温度上昇により真皮内の線維芽細胞を活性化させます。これによって膠原線維(コラーゲン)や弾性繊維(エラスチン)の増生が促進され、お肌のキメやハリの改善に働きかけます。また、毛穴の開大やちりめんじわの改善効果も期待できます。
施術の流れ
まずは一度来院されて、カウンセリングを行ってから、施術日を決定します。
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カウンセリング
- まずは診察を行い、施術の原理や効果について説明いたします。施術が決定したら、同意書に署名をいただきます。
その後、施術日を決めていただきます。
来院後の流れ
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洗顔
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(以下、施術日)
洗顔をしていただき、お化粧、油分を落としていただきます。
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施術
- 専用のジェルをお顔全体に塗布した後、施術を行います。
(麻酔は不要です。)
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アフターケア
- 施術終了後、冷却、洗顔を行います。
その後、保湿とUVのケアをしていただいて、帰宅します。
●施術時間の目安は以下のようになります。
・お顔全体の施術で 約20~30分
その他、アフターケアに約10分
よくある質問、注意事項
- ・痛みはありますか?
- 多少の痛みはありますが、我慢できない程ではありませんので基本は麻酔は不要です。
- ・日常生活に支障はありますか?(ダウンタイム)
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色素斑の部分は細かい褐色調のかさぶたができますが、1週間以内に剝がれてきます。
また、太い毛細血管が破壊された場合は発赤が残ることがありますが、数日で消退していきます。
血管拡張の部分は一過性に発赤や点状の出血斑が出ることがありますが、数日で消退していきます。
洗顔は可能で、特に軟膏の外用やシールによるカバーは必要ありません。
お化粧は可能ですが、かさぶたは自然に剝がれるまでそっと放置していただきます。 - ・施術後の経過について
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色素斑の部分はかさぶたが剝がれたあとはしみがうすくなっていますが、強く反応した場合は2~3週間後に褐色調の炎症後色素沈着(PIH)が現れることがあります。
PIHは自然経過で消退していきますが、数か月かかることもあります。できるだけPIHが出現しないように美白外用剤の併用や生活面での工夫をしていただきます。 - ・施術回数、期間について
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色素斑の部分や、血管拡張の部分は、1回の施術でも効果はありますが、色素斑の濃さや大きさ、拡張した毛細血管の太さなどにより経過は一定ではありません。
お顔全体に照射する場合は、目の見える部分だけではなく、全体に効果がありますので、回数を重ねるごとに効果も上がっていきます。
できれば4週間の間隔で5~10回の施術を推奨しています。
費用について
施術内容 | 料金(税込) | ||
自費初診料 | 3,300円 | ||
自費再診料 | 不要 | ||
ノーリス(IPL)(価格は1回の施術についての値段です。) | |||
スポット照射 | 5回目まで | 6回目以降 | 5回セット |
顔全体 | 19,800円 | 16,500円 | 88,000円 |
両側頬部+鼻部 | 16,500円 | 14,300円 | 77,000円 |
両側頬部 | 14,300円 | 12,100円 | 66,000円 |
手背(片側) | 8,800円 | 7,700円 | 41,250円 |
手首~肘(片側) | 13,200円 | 11,550円 | 61,875円 |
その他の部位 | 治療を行う面積により、要相談 | ||
スポット照射(色素斑、血管) | 治療を行う面積により、要相談 |
※表示はすべて税込価格です。
※当院では自費診療においてクレジットカードのご利用に対応しております。