
ルートロニック社のスペクトラを用いて、肝斑を含む顔面の表在性の色素性病変を改善していく治療法です。
他のQスイッチレーザーでは、通常の“しみ”や“そばかす”に対してはレーザー治療が可能ですが、“肝斑”や“炎症性色素沈着”に対しては、刺激を与えると逆に悪化するという現象のために、レーザー治療が困難とされています。
スペクトラの1064nmのQスイッチYAGレーザーを用いると、従来困難であった“肝斑”や“炎症性色素沈着”に対しても照射可能であり、これらを含む顔面全体の色素斑の治療が可能となりました。
このQスイッチYAGレーザーによる治療を、「レーザー・トーニング」と言います。
また、スペクトラを用いたレーザー・トーニングを「ルートロトーニング」と呼んでいます。
レーザー・トーニングの特徴は、何といっても“肝斑”にも照射でき、改善できることです。他の照射法(他のQスイッチレーザーや、IPLなど)では、肝斑をなるべく避けて照射しなければならなかったのですが、レーザー・トーニングでは気兼ねなく顔面全体に照射することができます。
また、ダウンタイムはほとんどなく、かさぶたにもなりません。
この“肝斑”を悪化させない照射法を可能にしているのは、スペクトラが以下のような条件を満たしているからです。
- 極端に短いパルス幅(5ns)と、それによって生まれる高いピークパワー
- トップハットビームといわれる、レーザー光線の先端の均等なエネルギー分布
高いピークパワーにより、肝斑のメラニンを破壊しますが、パルス幅が短いため周辺組織への過剰な熱ダメージを防ぐことができ、メラニンを製造するメラノサイトへの刺激を最小限に抑えます。
また、“トップハットビーム”と呼ばれるレーザー光の先端のエネルギー分布が均一になった技術が不可欠であり、肝斑に対して均一にムラなくレーザーを照射することができます。
とにかく、肝斑には強い刺激は与えられないため、極めて優しい出力で繰り返し照射します。
反応したメラニンは破壊され、少しずつ排出されていきます。そのため、1回の効果は通常のQスイッチ照射法と比べるとマイルドになっていますが、施術を重ねる度に効果がでてきます。
効果を得るためには複数回施術を行うことが必要です。一般的には2週間~1ヶ月の間隔で、5回以上の施術がお勧めです。
なお、当院ではルートロトーニングの後に、続けてお顔全体に1064nmのロングパルスYAGレーザーを照射する「スペクトラピール」を行う、「デュアルピール」をお勧めしています。
レーザー・トーニングは、以下のような方に良い適応があります。
- 肝斑を含む“しみ”や“そばかす”が、広範囲に散在している場合
- 今まで、美白内服薬(トラネキサム酸など)や美白外用剤(ハイドロキノン、トレチノインなど)で肝斑を治療してきたが、あまり改善がみられない場合
- 肝斑をできるだけ早く改善させたい場合
- “しみ”が気になるが、とにかくダウンタイムを避けたい場合
施術の流れ
まずは一度来院されて、カウンセリングを行ってから、施術日を決定します。
-
カウンセリング
- まずは診察を行い、適用があるか判断いたします。レーザー・トーニングを希望された方には、その原理や治療効果について説明いたします。
来院後の流れ
-
洗顔
- 洗顔をしていただき、お化粧、油分を落としていただきます。
-
施術
- ベッドに横たわり、お顔全体にレーザーを照射していきます。痛みは少しありますが、通常麻酔は必要ありません。お顔全体で約15分で終了します。
-
冷却
- 冷水にひたしたマスクでパックを行い皮膚を冷却します。その後、保湿ローションを塗布して終了です。帰宅時、お化粧は可能ですが、できれば翌朝まで控えてください。
- ●施術時間の目安は以下のようになります。
- ・デュアルピール(ルートロトーニング+スペクトラピール)で約50分
- ・ルートロトーニングのみで 約30分
- (いずれも、施術後の冷却時間も込みです。)
施術内容 | 料金(税込) | ||
自費初診料 | 3,300円 | ||
自費再診料 | 不要 | ||
レーザー・トーニング(ルートロトーニング)(価格は1回の施術についての値段です。) | |||
5回目まで | 6回目以降 | 5回セット | |
★肝斑部位を含む部位 ★照射する部位によって価格が変わってきます。 |
7,700~16,500円 | 6,160~13,200円 | 35,200~75,900円 |
※表示はすべて税込価格です。
※当院では自費診療においてクレジットカードのご利用に対応しております。